クリエイターコラム

作画監督の年収はどれくらい?仕事内容や将来性、ブラックと言われる理由も解説

作画監督の年収はどれくらい?制作会社の給料ランキングも紹介!

作画監督の年収はどれくらいはご存知でしょうか?年収安すぎ、と言われることの多いアニメーター業界ですが、作画監督レベルになっても年収は一般的に低いとされてしまうのでしょうか。

また作画監督のアニメーターとの仕事内容の違いや将来性・キャリアパスについても気になりますよね。

そこで今回この記事では、

  • 作画監督の平均年収
  • 正社員・業務委託・フリーランスといった雇用形態による年収の違い
  • 作画監督の仕事内容
  • 作画監督の将来性・キャリアパス

について解説していきます。

作画監督・アニメーターの平均年収

作画監督の年収は、アニメ業界の中でも比較的高い部類に入りますが、その金額は 所属する制作会社や雇用形態、担当する作品の規模 によって大きく異なります。

一般的に、 作画監督の平均年収は500万円~600万円程度 とされており、 経験豊富な作画監督や、話題作を手掛けた作画監督は800万円以上を稼ぐことも可能 です。また、フリーランスでの活動が一般的になりつつあり、 ヒット作品の作画監督や、業界内で名の通ったアーティストは年収1,000万円を超えることもあります

アニメ業界全体の職種別の平均年収は以下の通りです。

職種平均年収(万円)仕事内容の特徴
動画マン263原画の間を埋める動画を描く。新人が多く、低賃金・出来高制が一般的。
制作進行325アニメ制作全体のスケジュールを管理する。未経験から始める人も多い。
原画マン399主要なアニメーションの動きを決める。実力次第で作画監督へ昇進。
色彩設計422キャラクターや背景の色彩設計を担当。作品の雰囲気を決める役割。
アニメ撮影401動画・原画をデジタル化し、映像としての演出を加える。
背景美術418背景の作成を担当し、アニメの世界観を決定づける。
作画監督574作画全体の品質管理を担当し、修正指示を出す責任者。
デザイン(キャラ・メカ)586キャラクターやメカのデザインを作成。監督の意向を反映させることが求められる。
プロデューサー589作品全体の予算管理や、スポンサーとの交渉を担当。
監督787作品全体の演出を統括し、最終的なクオリティを決める。

このように、作画監督は アニメーターとして成功した人がキャリアアップしていくポジション であり、ある程度の経験を積んだ後に収入が安定してくる傾向にあります。

制作会社での作画監督の年収ランキング

制作会社によって、作画監督の待遇は大きく異なります。特に 大手制作会社では固定給やボーナスがある ため、比較的安定した収入を得ることができます。一方で、 中小企業やフリーランス契約の場合は、案件ごとの出来高制が多く、収入が不安定になりがち です。

以下は、 作画監督の年収が高い制作会社ランキング です。

順位制作会社名平均年収(万円)特徴
1位東宝883映画を中心に高予算作品を制作。安定した高収入を誇る。
2位東映863『ワンピース』『プリキュア』など人気シリーズを多数担当。
3位松竹833劇場版アニメの制作がメイン。映画業界の待遇に近い。
4位セガサミーホールディングス831ゲーム・パチンコ向けアニメ制作も手掛ける。
5位KADOKAWA791出版と連携したメディアミックス作品が多い。
6位東映アニメーション752大手アニメ制作会社であり、安定した案件が多い。
7位エイベックス698音楽・ライブ系アニメの制作を多数担当。
8位フリュー634ゲーム・アニメの制作会社として成長中。
9位東北新社600CM・アニメの企画制作を手掛ける大手企業。
10位マーベラス568ゲーム・アニメ・音楽事業を展開する企業。

大手制作会社では、 作画監督としてのキャリアが安定し、固定給+出来高報酬 という形で収入を得られることが一般的です。一方で、フリーランスの作画監督は、 単発の案件やスタジオとの契約次第で収入が変動 するため、 年間の収入が大きく変動する可能性 があります。

補足:正社員・業務委託(フリーランス)でどれくらい年収は違う?

作画監督には 正社員として働く場合フリーランスとして契約する場合 の2つの働き方があります。それぞれの働き方による年収の違いは以下の通りです。

雇用形態平均年収(万円)特徴
正社員500~600月給制で安定した収入。ボーナスあり。
フリーランス600~1000実績次第で高収入が可能だが、安定性がない。

正社員として働くメリット・デメリット

メリット

  • 安定した月給 を得られる。
  • 社会保険 が適用される。
  • ボーナスや昇給制度 がある。

デメリット

  • 基本給が低め に設定されることが多い。
  • 出来高制の報酬が少ないため、収入の伸びが限定的
  • 昇進・昇給のスピードが遅い

フリーランスとして働くメリット・デメリット

メリット

  • 実力次第で高収入を得ることが可能
  • 案件ごとの報酬が高く、ヒット作を担当すれば一気に収入が上がる
  • スケジュールを自由に調整できる

デメリット

  • 収入が不安定 になりやすい。
  • 社会保険・年金などが自己負担 になる。
  • 案件が途切れると収入がゼロになるリスクがある

フリーランスの作画監督は 単価が高い代わりに、不安定な部分もある ため、 一定のキャリアと人脈を築いた後に独立するケースが多く 見られます。

そもそも作画監督はどんな仕事?将来性についても解説!

作画監督の仕事内容:アニメの品質を守る重要な役割とは?

作画監督の主な仕事は、アニメーションの 「作画品質」 を管理し、作品全体のビジュアルを統一することです。特に、アニメーション制作の中核を担うポジションであり、 作画のクオリティを最終的に保証する役割 を持っています。

作画監督の業務は以下のように細分化されます。

1. 原画チェック・修正

アニメの基本となる「原画」をチェックし、必要に応じて修正を行います。

  • 原画とは?
    原画マンが描いたカット(アニメーションの基となる絵)のこと。これが複数集まることでキャラクターが動く。
  • チェックの流れ
    1. 原画マンが描いたシーンを確認する
    2. キャラクターデザインや作画の統一感をチェック
    3. ポーズ・アクションが適切か、違和感がないか確認
    4. 必要に応じて修正を加える(線の補正やパーツのバランス修正)

例えば、キャラクターの 目の大きさや顔のバランスが原画マンごとにズレている場合、作画監督が調整を行い、全体のビジュアルを統一します。

2. 作画指導・アニメーターへのフィードバック

作画監督は、若手アニメーターの 指導者としての役割 も持っています。

  • 具体的な指導内容
    • キャラクターの描き方のポイントをアドバイス
    • 動作や表情の演技指導
    • デザインの微調整方法の共有
    • 効率的な作画方法の指導

例:「キャラクターの目の光の描き方を統一する」「走るシーンの動きをより自然にする」 など、 アニメーション全体の統一感を維持するための指導 を行います。

3. スケジュール管理

アニメ制作には 厳しい納期 があるため、作画監督は 作画スケジュールを管理 し、締め切りに間に合わせるための調整を行います。

  • 作業進捗の確認
    • 各アニメーターの作業速度を把握し、遅れがあれば調整
    • 必要に応じて追加の作画スタッフを投入
  • トラブル対応
    • 「原画の品質が低い」「納期に間に合わない」などの問題が発生した場合、 作画監督自身が手を動かして修正を行うこともある
    • 突発的な作業量増加にも対応

特に スケジュールが遅れている場合、作画監督が自ら描き直す ケースもあり、責任が重い役職です。

4. 他のスタッフとの連携

作画監督は 演出家、監督、プロデューサーと連携し、作品の方向性を決定 します。

  • 監督からの指示を受けて作画の方向性を決定
  • アニメーターや原画マンと密に連携し、作業を進める
  • 必要に応じてプロデューサーとスケジュール調整

作画監督は 制作チーム全体の要となる存在 であり、 コミュニケーション能力も重要なスキル です。

作画監督の将来性・キャリアパス

作画監督としての経験を積むことで、 より高いポジションへのキャリアアップ が可能になります。以下は、アニメ業界での一般的なキャリアパスとそれぞれの年収の目安です。

キャリアステップ年収の目安(万円)役割・仕事内容
動画マン250~300動画を描く下積み時代。低賃金だが経験を積む期間。
原画マン350~450主要なアニメーションを描く。動きを決める重要な役割。
作画監督500~700作画全体の統一・品質管理を担当。原画修正や指導も行う。
総作画監督600~800作画監督の上位職。全話数を統括し、作画クオリティを決定する。
監督・プロデューサー800~1000作品全体の演出・管理を担当し、アニメ制作を統括する。

作画監督のキャリアアップのポイント

  1. 経験を積む
    • まずは 動画マンからスタートし、原画マンとして実績を積む ことが重要。
    • スピードと精度の向上がカギ となる。
  2. 人脈を広げる
    • アニメ業界は フリーランスの人脈が非常に重要
    • 有名な作品に関わることで、 次の仕事を獲得しやすくなる
  3. 演出・監督への道も
    • 総作画監督になると、作品全体を統括する役割を担う
    • 演出や監督を目指すことも可能

作画監督に関するよくある質問

ここまで、作画監督の平均年収や仕事内容について解説してきました。それでは、どうすれば作画監督になれるのか、また作画監督やアニメーター業界がブラックだと言われる理由に関しても気になりますよね。

ここでは最後によくある質問・疑問として、

  • ①:作画監督にはどうやったらなれる?
  • ②:アニメーター・作画監督がブラックだと言われる理由
  • ③:作画監督に向いている人・向いていない人とは

の3点について解説します。

①:作画監督にはどうやったらなれる?

作画監督になるためには、 動画マン→原画マン→作画監督 という流れでキャリアを積むのが一般的です。具体的なステップは以下のようになります。

①-1:動画マンとして基礎を学ぶ(1~3年)

動画マンは、 アニメーションの基礎となる動画(中割り)を作成する のが仕事です。
この時期は 修行期間 とされ、以下のようなスキルを磨くことが求められます。

必要なスキル

  • 線の綺麗さやキャラクターの形を正確に描く技術
  • 動きの流れを理解し、スムーズなアニメーションを作る力
  • 制作ソフト(Clip Studio、TVPaint など)の基本操作

動画マンの特徴

  • ほぼ出来高制 で、1カット数百円程度の報酬
  • 月に 200~300カット以上描いてようやく月収10万~15万円程度
  • 大手制作会社では 研修期間があり、アニメーター養成カリキュラムを受けることも可能

①-2:原画マンとして作画の核を担当(3~5年)

動画マンとして数年経験を積むと、実力が認められ 「原画マン」 へ昇格できます。
原画マンの仕事は アニメの動きを決める重要なカットを描くこと です。

必要なスキル

  • ダイナミックなポーズやアクションを描く力
  • キャラクターデザインに忠実に描く能力
  • パース(遠近感)を理解し、立体的な構図を作る技術
  • 動きの演出を意識し、映像としての表現力を磨く

原画マンの特徴

  • 給与は出来高制が多く、 1カット2000円~6000円程度
  • 1話分(100~200カット)を任されることもあり、1本制作すれば 月収20万~30万円程度
  • 実力次第で大きく収入が伸びる

原画マンとして一定の評価を得ると、作画監督のアシスタントとして 「作監修正」 を担当することもあり、ここでの経験が作画監督への登竜門になります。

①-3:作画監督へ昇格(5~10年)

原画マンとしての経験が豊富になり、 品質管理ができるレベルの技術と責任感を持つと「作画監督」に抜擢 されます。

求められるスキル

  • 全体の作画統一を行うディレクション力
  • 他のアニメーターの作画を修正する能力
  • 監督・演出家との連携をスムーズに行うコミュニケーション能力
  • スケジュール管理能力(締切を守るための調整)

作画監督の特徴

  • 1話あたり30~50万円程度の報酬
  • 1カ月で1~2話分担当すれば、月収50万円以上も可能
  • 実力次第で総作画監督・監督・演出へとキャリアアップ可能

②:アニメーター・作画監督がブラックだと言われる理由

アニメ業界は 労働環境が厳しい ことで知られています。特に 作画監督・アニメーターはブラックと言われる要因 として以下の3つが挙げられます。

②-1:長時間労働が常態

アニメ制作は タイトなスケジュール で進むため、作画監督・アニメーターは 月300時間以上働くことも珍しくありません

長時間労働の要因

  • 制作スケジュールがタイト(1話の納期が約1~2カ月)
  • 修正作業が大量に発生(特に作画監督は原画修正を担当)
  • 締切直前の徹夜作業が日常化
  • 人手不足のため、一人の負担が大きい

「納期が遅れれば作画監督が自ら作業しなければならない」ため、 休日がなくなるケースも多い です。

②-2:低賃金の出来高制

アニメーターの多くは 出来高制 で働いており、新人時代は特に低賃金です。

新人時代の報酬例

  • 動画マン:1カット200円~400円 → 月収10万未満も珍しくない
  • 原画マン:1カット2000円~6000円 → 月収20万~30万円程度
  • 作画監督:1話30~50万円 → 月収50万円以上も可能

特に 動画マン時代の収入は最低賃金を下回ることが多く、経済的に厳しい状況が続きます。

②-3:フリーランスは収入が不安定

アニメ業界では フリーランスの割合が非常に高い ため、仕事が途切れると収入がゼロになるリスクがあります。

フリーランスのリスク

  • 案件ごとに報酬が決まるため、一定の仕事がないと収入が激減
  • 病気やケガをすると収入がなくなる
  • 制作会社によっては支払い遅延が発生することもある

そのため、 アニメーター・作画監督は、安定した収入を確保するのが難しい という問題があります。

③:作画監督に向いている人・向いていない人とは

作画監督は 作画の品質管理・修正・スケジュール管理を行う責任ある仕事 です。そのため、向いている人と向いていない人の特徴を整理します。

③-1:作画監督に向いている人

細かい作業が好きな人

  • キャラクターの 細部のバランスや表情の統一 に気を配れる人が向いている。

チームワークを大切にできる人

  • 作画監督は アニメーターとの連携が必須。指導・修正を行うため、チームプレイを大切にできる人が求められる。

スケジュール管理が得意な人

  • 納期を守るための調整力 が必要。
  • 原画マン・動画マンの作業ペースを把握し、効率的に指示を出せることが重要。

③-2:作画監督に向いていない人

単調な作業が苦手な人

  • 作画監督の仕事は、 細かい修正を繰り返す作業が中心。根気が求められる。

納期に追われるのが嫌な人

  • 締切前は激務になりやすい ため、プレッシャーが苦手な人には向かない。

高収入をすぐに得たい人

  • 作画監督になるまでに5~10年の修行が必要。短期間で高収入を得たい人には向いていない。

まとめ:作画監督の平均年収は500万円以上!

ここまで作画監督の平均年収や仕事内容について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

最後にこの記事の内容をまとめると、

  • 作画監督の平均年収は500万円以上で、アニメーターの平均年収よりも高い
  • 作画監督の年収は正社員と業務委託・フリーランスで大きく異なるが、正社員の方が年収の安定性は確保できる
  • 作画監督の将来性・キャリアパスとして、監督・プロデューサーとステップアップしていくことで年収も上げられる
  • 作画監督の仕事内容は、原画チェックから修正、スケジュール管理、メンバーの育成まで多岐に渡る
  • 作画監督になる方法としては、動画マン→原画マン→作画監督とキャリアアップしていく方法が一般的

でした。

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